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ふれあい広場

月別アーカイブ: 2008年9月

【犬と暮らしている皆様へ】

私の知り合いのドッグカウンセラーの方が最近本を書きました。特に本の終章に心をうたれたのでご紹介します。
「最後に、私が感銘を受けた、弁論をご紹介します。これは、19世紀のころ、自分の犬が射殺されたことを訴えた飼い主の弁護人、アメリカ・ミズーリ州の上院議員、ジョージ・グレアム・ベストの陳述した有名な弁護論です。法廷でこれを聞いた被告側の弁護士に、『それは、かつて聞かれたもののうち、もっとも完璧な演説だった。裁判官も弁護士に魅惑された。とくに裁判長は親友を失った人のように涙をこぼしていた』と言わしめ、評決にはたった2分しかかからなかったということです。」
以下はその弁論です。
「人間がこの世で持つ最良の友も、彼に反し敵となることがありましょう。彼が愛情をこめて育て上げた息子や娘も、親不幸者となることがありましょう。私どもが自分の幸福と名声を任せる者さえ、その信頼を裏切ることがありましょう。人の持つ富は失うこともありましょう。富は人がもっとも必要とするときに、人から飛び去ってしまうものです。人の名誉は、何か一つ人によく思われない行為があった途端に地に墜ちます。成功が私どもと共にあるときは腰をかがめて我々を崇める人々も、一旦失敗の雲が我々の頭上に覆うや、まず悪意の石を我々に投げる最初の人ともなるでありましょう。
 この利己的な世の中で、人が持ちうる唯一の絶対に非利己的な、決して彼を棄てず、決して恩を忘れたり裏切ったりせぬ友は犬であります。陪審員諸君、人の持つ犬は、富むときも貧に悩むときも、健康のときも、病気のときも、その主人の味方であります。犬は冬の寒風吹きすさび、雲が激しく降るときにも、その主人の側近くにおることさえできれば冷たい地面にも寝るのであります。彼は、自分にくれる食べ物を持たない手にも接吻し、世の荒波と闘ってできた傷も舐めてくれます。彼は貧しい主人の眠りをあたかも王侯に対するのと同じく番をするのであります。他のすべての友が去っても彼だけは残っています。富が飛び去り、名声が粉々になっても彼の愛情はちょうど空を旅する太陽のように不変であります。運命が彼の主人を友もなく、家もなく、地の果てへ放り出しても、忠実な犬は主人について危険から主人を守り、その敵と戦うより以上の特権を求めないのであります。そうして、遂にすべてが終わって、死が主人を抱き、その体が冷たい地面に横たわると、すべての友はお
のおの勝手な方向に行ってしまっても、その気高い犬は墓の側にあって頭を前脚の間に垂れ、目は悲しげに、しかし、聡く見張って大きく開き、死に至るまで忠実で真実であります。」

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